2010年6月26日
サントリー白州蒸溜所を見学しました。
ここでは、名水百選の尾白川水系を利用して、ウィスキーと天然水をつくっています。
ウィスキーの見学ツアーでは、蒸溜釜や貯蔵庫を見学し、試飲をさせてくれます。
貯蔵庫には、半端ではない数の原酒が熟成されています。
10年12年25年30年以上のものがあり、
材料、蒸溜の時期、仕方、貯蔵場所、期間、樽によって、一つとして同じ個性の原酒はないそうです。
蒸溜したての原酒は無色です。
原酒は年月を重ねて琥珀色に変化していきます。
夏は水分が蒸発し、冬は外気を吸い、呼吸を繰り返します。
年に2~3%の水が減っていきます。
そしていよいよ樽から原酒が取り出されます。
それをまるごと製品としてビンにつめることはできません。
原酒は個性が強すぎて、製品にはならないそうです。
そこで、ブレンダーさんが、熟練の技で持って、何十種類の原酒を混ぜ合わせ、
製品として仕上げます。
ただまぜれば良いというわけではありません。
ただ混ぜるだけでは、何の個性も感じられないものになります。
そこがブレンダーさんの腕のみせどころで、
個性と個性が合わさり、お互いの個性を引き立たせるようにするそうです。
原酒の合わさる数は、時には、40種類にもなるそうです。
こうしてできた製品は、深い香り、豊潤な味わいとなって、製品としてビンに収まります。
ウィスキーの例は、人間にも当てはまります。
一見、画一的な社会で個性は育つのかいう疑問です。
それが不思議なことに、
学校、部活、企業教育など、
画一的な環境で育つと人間は、個性が光るそうです。
そして組織のリーダーはウィスキーのブレンダーさんと同じで、
個々の個性を引き立たせるのが仕事ということではないでしょうか。