2016年11月28日
久保田一竹美術館を見学することができました。
河口湖畔は紅葉まつりの時期で美術館は、まつり会場から紅葉トンネルを抜けたところにあります。
美術館周辺は真っ赤に色好いたもみじが晴天の光で鮮やかでした。
湖面から少し坂を登るので、美術館は湖畔を見下ろす位置にあり、その先には5合目あたりまで雪化粧した富士山がみえるロケーションです。
紅葉のトンネルから更に森の小路をすすむと美術館ゲートに出会えます。
巨木で造られたゲートは彫刻が施され、日本ではない感じがします。
ゲートをくぐり更に進むと、
まるで、ガウディの世界を思わる建物があります。
これは新館で、入館券売り場やショップなどがあります。
奥にある本館には久保田一竹さんが、一着を染めあげるのに一年を費やすという着物がずらりと展示され、圧倒されました。
久保田一竹さんは、3年間ものシベリア抑留で一度は捨てた命と思えるまでの経験をされました。
室町時代にあった「辻が花染め」に魅了されてからは、20年間の研究の末、60才でようやく自分の納得のいく作品に作り上げることができたそうです。
その間は出口の見えない真っ暗な道であり、家族にも極貧の生活を耐えさせることになりながらも、それでも自分の理想に描いている辻が花を求めつづけたそうです。
この美術館は、当時の一竹さんの所持金が250万円しかないにもかかわらず、まわりの人の協力で奇跡的にできたそうです。
資産家がコレクションした美術館とは違い、着物の作品とともに、この美術館そのものが一竹さんの魂の作品なんだと思いました。